The Country of the Working Class
ガイジンはいつもソトのヒト
日本に長い間〈ガイジン〉として住んでいると、楽しいこともつらいこともたくさん経験しました。ときどき私は次のような意味のことを日本の人から聞かれることがあります。
「日本人は親切で素晴らしいでしょう?」
「もうそんなに長く日本にいるなら、あっち(イギリス)には帰りたくないでしょう?」
確かに優しくて素晴らしい人たちには、たくさん出会いました。日本にはよいところがたくさんあると思います。でも、物事はそんなに単純ではないんです。ですからそんなとき、私はたいてい笑顔で、
「ええ、そうですね」
と、当たりさわりのないように答えることにしています。なぜなら、多くの場合、この手の会話は初対面の方や、知り合って間もない人から聞かれることが多いので、あまり本音の話はそぐわないからです。
でも正直、日本でつらく悔しい思いをして、涙で枕を濡らした回数なんて数えあげたらきりがありません。怒りが爆発して「もう日本を離れよう」と、思ったこともあります。
日本ではよくも悪くもガイジンはガイジン。いつでも特別扱い。いつまでたってもガイジン。つまり、〈ソトのヒト(外の人)〉なんです。