The Lifestyle of the Working Class in England
家計簿とはまったく異なる発想の家計管理 - 1
イギリスの家庭では、「一週間の予算表」をノートに作成します。しかし、私がここでいう予算表とは、日本で言う家計簿とは、まったくコンセプトを異にしたものです。
家計簿というのは「どれだけ出費があったか」を記録しておくものです。しかし、イギリス人にとって重要なのはむしろ、「前もって収入をコントロールする」ことであり、今週は何にどれくらい使うかという「予算」なんです。
だから、給料の何パーセントを何に使うかというように記入していきます。そして、毎週末には予定外の出費を予算表に記入しますので、この時点で結果的に家計簿が完成することになります。
“ Look after the Pennies and the Pounds will look after themselves. ” という諺は、「小銭(ペニー)を大切にすれば、大金(ポンド)になってもどってくる」という意味です。日本の「一円を笑うものは一円に泣く」と同じなのですが、表現が逆になります。この諺どおり、私たちはとにかく大きなものから小さなものにいたるまで、すべての出費を管理します。そして、貯金をするのです。もちろん貯金のパーセンテージも決まっています。
私は幼いころから、母が週に一度行なう予算表のつけ方を見よう見まねで覚え、16歳で独立してからも毎週欠かさず必ずつけてきました。
では週給400ポンドで、子ども3人の5人家族と想定して、実際にどのような予算の立て方をしているのかご説明しましょう。
- 家賃 18.8%(75ポンド)
- 食費・日用品 25%(100ポンド)
- 公共料金(水道・電気・ガス・電話) 5%(20ポンド)
- 交通費 0%(0ポンド)
- 老後の蓄え 10%(40ポンド)
- 任意保険料 0%(0ポンド)
- 万一の備え 10%(40ポンド)
- 週のレジャー費 16.2%(65ポンド)
- 休暇や新しい物の購入用の貯蓄 15%(60ポンド)
合計 100%(400ポンド)
以上の枠内に収めるように予算を組みます。
そして一週間後に、領収書をもとにチェックを行ないます。